この記事の目次
「夢のマイホーム、一戸建てを購入したいけど、固定資産税って年間いくらくらいかかるんだろう…?」
「新築の一戸建てを建てたけど、固定資産税の通知が来てびっくり!平均はどのくらいなの?」
一戸建ての購入を検討されている方や、すでに所有されている方にとって、固定資産税は毎年関わってくる重要なコストです。特に新築の場合は、軽減措置などもあり、いつまで、いくら支払うのか気になるポイントではないでしょうか。
この記事では、一戸建ての固定資産税がいくらになるのか、その平均相場や計算方法、新築の場合の軽減措置、さらには固定資産税を抑えるためのポイントまで、専門家が分かりやすく解説します。この記事を読めば、あなたの家の固定資産税の目安が分かり、安心してマイホーム計画を進められるようになるでしょう。
一戸建て固定資産税の平均相場はいくら?
一戸建ての固定資産税は、物件の価格や所在地、築年数など様々な要因によって変動しますが、まずは一般的な平均相場を把握しておきましょう。
【全国平均】年間10万円~15万円が目安
一戸建ての固定資産税の全国的な平均額は、おおむね年間10万円~15万円程度が目安とされています。ただし、これはあくまで一般的な目安であり、都市部と地方、物件の規模や新しさによって大きく異なります。
例えば、都市計画税が課税される地域では、さらに税負担が増えることになります。
【価格帯別】固定資産税シミュレーション
物件の価格帯によって、固定資産税がどのくらいになるのか、具体的なシミュレーションを見てみましょう。ここでは、土地と建物の評価額の一般的な割合(土地評価額が購入価格の60%、建物評価額が建築費の60%と仮定)と標準税率1.4%で計算し、都市計画税は考慮していません。また、新築の軽減措置も適用前の金額です。
- 物件価格2,000万円(土地1,200万円、建物800万円)の一戸建て
- 土地の固定資産税評価額(仮):1,200万円 × 70%(公示価格の目安) = 840万円
- 建物の固定資産税評価額(仮):800万円 × 60%(再建築価格の目安) = 480万円
- 合計評価額(仮):1,320万円
- 年間固定資産税額(概算):1,320万円 × 1.4% = 約18.4万円
- ※実際には住宅用地の特例や新築軽減が適用されるため、これより安くなります。
- 物件価格3,000万円(土地1,800万円、建物1,200万円)の一戸建て
- 土地の固定資産税評価額(仮):1,800万円 × 70% = 1,260万円
- 建物の固定資産税評価額(仮):1,200万円 × 60% = 720万円
- 合計評価額(仮):1,980万円
- 年間固定資産税額(概算):1,980万円 × 1.4% = 約27.7万円
- ※実際には住宅用地の特例や新築軽減が適用されるため、これより安くなります。
- 物件価格4,000万円(土地2,400万円、建物1,600万円)の一戸建て
- 土地の固定資産税評価額(仮):2,400万円 × 70% = 1,680万円
- 建物の固定資産税評価額(仮):1,600万円 × 60% = 960万円
- 合計評価額(仮):2,640万円
- 年間固定資産税額(概算):2,640万円 × 1.4% = 約36.9万円
- ※実際には住宅用地の特例や新築軽減が適用されるため、これより安くなります。
これらのシミュレーションはあくまで目安です。正確な金額は、物件の評価額や適用される軽減措置によって異なります。
【地域別】都市による固定資産税の違い
固定資産税は、土地の評価額が大きく影響するため、地価の高い都市部ほど高くなる傾向があります。
- 地価の高いエリア
東京23区内や大阪市、名古屋市などの大都市中心部では、土地の評価額が高いため、同じような建物でも固定資産税は高額になります。 - 地方都市や郊外
比較的土地の価格が安い地域では、固定資産税も抑えられる傾向にあります。
また、固定資産税の税率は標準で1.4%とされていますが、市町村によっては財政状況に応じてこれと異なる税率(例えば1.5%や1.6%など)を設定している場合があるため、注意が必要です。お住まいの市町村の税率を確認しましょう。
【築年数別】固定資産税額の推移
一戸建ての固定資産税は、築年数によっても変動します。
- 建物部分
建物は経年劣化により価値が下がっていくため、固定資産税評価額も年々減少していきます。そのため、建物部分の固定資産税は新築時が最も高く、築年数が経過するにつれて徐々に安くなっていきます。ただし、一定の年数(木造で25年~30年程度)が経過すると、評価額の下落は緩やかになり、最終的には再建築価格の20%程度で下げ止まるのが一般的です。 - 土地部分
土地の評価額は、経年劣化の概念がないため、地価の変動によって上下します。地価が上昇すれば土地の固定資産税は上がり、下落すれば下がります。
したがって、一戸建て全体の固定資産税額は、新築時が比較的高く、建物の評価額減少に伴い徐々に下がっていくものの、土地の評価額の変動によって将来的な税額は変わる可能性があると理解しておきましょう。
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固定資産税の計算方法と評価額の仕組み
固定資産税がどのように計算されるのか、その基本的な仕組みを理解しておきましょう。
固定資産税の計算式「評価額×1.4%」
固定資産税の基本的な計算式は以下の通りです。
固定資産税額 = 固定資産税評価額(課税標準額) × 税率(標準1.4%)
- 固定資産税評価額(課税標準額)
市町村が決定する土地や家屋の評価額のことです。後ほど詳しく解説します。 - 税率
標準税率は1.4%ですが、前述の通り、市町村によって異なる税率が設定されている場合があります。
例えば、固定資産税評価額が1,000万円の場合、固定資産税は1,000万円 × 1.4% = 14万円となります(軽減措置を考慮しない場合)。
固定資産税評価額とは?土地・家屋の評価
「固定資産税評価額とは、固定資産税を計算する際の基準となる価格のことで、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて、各市町村長(東京23区の場合は都知事)が決定します。」土地と家屋それぞれに評価額が算出されます。
- 土地の評価額
地価公示価格や都道府県基準地標準価格、不動産鑑定士による鑑定評価額などを基に、その土地の状況(形状、間口、奥行き、道路との接面状況など)を考慮して評価されます。一般的に、地価公示価格の70%程度が目安とされています。 - 家屋の評価額
「再建築価格」を基準に評価されます。再建築価格とは、評価対象となった家屋と同一のものを、評価の時点においてその場所に新築するものとした場合に必要とされる建築費のことです。この再建築価格に、建築後の年数の経過によって生じる損耗の状況による減価(経年減点補正率)を乗じて評価額が算出されます。新築の場合、一般的に建築費の50%~70%程度が目安となります。
固定資産税評価額の決まり方と確認方法
固定資産税評価額は、原則として3年に1度見直されます。これを「評価替え」といい、直近では令和6年度(2024年度)が評価替えの年にあたります。
ご自身の固定資産税評価額を確認する方法はいくつかあります。
- 納税通知書に同封される「課税明細書」
毎年4月~6月頃に送られてくる納税通知書に、土地・家屋それぞれの評価額や課税標準額が記載されています。 - 固定資産評価証明書
市町村の役所(都税事務所など)で取得できます。手数料がかかる場合があります。 - 固定資産課税台帳の閲覧
納税義務者であれば、ご自身の固定資産について固定資産課税台帳を閲覧できます。
都市計画税も一緒に課税される場合
「都市計画税とは、都市計画事業または土地区画整理事業に要する費用に充てるために、目的税として課税されるものです。」
原則として市街化区域内に所在する土地及び家屋が課税対象となり、固定資産税とあわせて納付します。
税率は市町村によって異なりますが、上限は0.3%と定められています。
都市計画税額 = 固定資産税評価額(課税標準額) × 税率(上限0.3%)
したがって、市街化区域内に一戸建てを所有している場合は、固定資産税に加えて都市計画税も考慮に入れる必要があります。
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新築一戸建ての固定資産税と軽減措置
新築の一戸建てを購入した場合、固定資産税が減額される特例措置があります。これはマイホーム取得者にとって大きなメリットとなるため、しっかり理解しておきましょう。
新築住宅の固定資産税が減額される特例
新築された住宅については、一定期間、建物部分の固定資産税が減額されます。
- 減額内容
新築住宅の居住部分(1戸あたり120㎡までの部分)にかかる固定資産税額が1/2に減額されます。 - 減額期間
- 一般の住宅(下記以外):新築後3年度分
- 3階建て以上の耐火・準耐火建築物(マンションなど):新築後5年度分
- 認定長期優良住宅:新築後5年度分(3階建て以上の耐火・準耐火建築物の場合は新築後7年度分)
この軽減措置は、建物部分のみに適用され、土地部分の固定資産税には適用されません。
軽減措置の適用条件・期間・手続き
新築住宅の固定資産税軽減措置を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 適用条件
- 床面積要件
居住部分の床面積が50㎡以上280㎡以下であること(一戸建ての場合)。賃貸マンションの場合は1戸あたり40㎡以上280㎡以下。 - 居住用であること
専用住宅、共同住宅、併用住宅(居住部分の割合が1/2以上)などが対象です。
- 床面積要件
- 適用期間
前述の通り、一般の住宅で新築後3年度分、認定長期優良住宅では5年度分です。この期間が終了すると、翌年度から本来の税額に戻るため、税負担が増える点に注意が必要です。 - 手続き
原則として、住宅を新築または取得した翌年の1月31日までに、その住宅が所在する市町村に申告する必要があります。ただし、多くの場合は建築確認申請などから市町村が把握し、自動的に適用されるケースが多いです。念のため、適用されているか納税通知書で確認しましょう。
【建物価格別】新築の固定資産税目安
新築の軽減措置を適用した場合、固定資産税がどのくらいになるのか、建物価格別にシミュレーションしてみましょう。
ここでは、土地の評価額は1,000万円(課税標準額は住宅用地特例適用後で1/6の約167万円と仮定)、建物の評価額は建築費の60%と仮定し、税率は1.4%、都市計画税は考慮しません。新築軽減は建物部分の税額が3年間(または5年間)1/2になるものとします。
新築2000万円の一戸建て
- 建物の評価額(仮):2,000万円 × 60% = 1,200万円
- 建物部分の固定資産税(軽減前):1,200万円 × 1.4% = 16.8万円
- 建物部分の固定資産税(軽減後):16.8万円 × 1/2 = 8.4万円(3年間または5年間)
- 土地部分の固定資産税(住宅用地特例適用後):167万円 × 1.4% = 約2.3万円
- 軽減期間中の年間固定資産税合計(概算):8.4万円 + 2.3万円 = 約10.7万円
- 軽減期間終了後の年間固定資産税合計(概算):16.8万円 + 2.3万円 = 約19.1万円
新築3000万円の一戸建て
- 建物の評価額(仮):3,000万円 × 60% = 1,800万円
- 建物部分の固定資産税(軽減前):1,800万円 × 1.4% = 25.2万円
- 建物部分の固定資産税(軽減後):25.2万円 × 1/2 = 12.6万円(3年間または5年間)
- 土地部分の固定資産税(住宅用地特例適用後):167万円 × 1.4% = 約2.3万円
- 軽減期間中の年間固定資産税合計(概算):12.6万円 + 2.3万円 = 約14.9万円
- 軽減期間終了後の年間固定資産税合計(概算):25.2万円 + 2.3万円 = 約27.5万円
新築4000万円の一戸建て
- 建物の評価額(仮):4,000万円 × 60% = 2,400万円
- 建物部分の固定資産税(軽減前):2,400万円 × 1.4% = 33.6万円
- 建物部分の固定資産税(軽減後):33.6万円 × 1/2 = 16.8万円(3年間または5年間)
- 土地部分の固定資産税(住宅用地特例適用後):167万円 × 1.4% = 約2.3万円
- 軽減期間中の年間固定資産税合計(概算):16.8万円 + 2.3万円 = 約19.1万円
- 軽減期間終了後の年間固定資産税合計(概算):33.6万円 + 2.3万円 = 約35.9万円
これらのシミュレーションは、土地の評価額や住宅用地特例の適用状況によって大きく変わるため、あくまで参考としてください。正確な税額は、必ず納税通知書で確認するようにしましょう。
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固定資産税の支払い時期と納税通知書
固定資産税はいつ、どのように支払うのでしょうか。納税通知書の見方とあわせて確認しましょう。
固定資産税はいつ・どうやって支払う?
- 支払い時期
固定資産税は、原則として年4回に分けて納付します。納期は市町村によって異なりますが、一般的には第1期が4月~6月頃、その後、第2期、第3期、第4期と続きます。もちろん、第1期の納期限までに全期分を一括で納付することも可能です。 - 支払い方法
主な支払い方法は以下の通りです。- 納付書による支払い
金融機関の窓口、郵便局、コンビニエンスストアなどで納付書を使って現金で支払います。 - 口座振替
事前に手続きをすれば、指定した口座から自動的に引き落とされます。納め忘れの心配がなく便利です。 - クレジットカード払い
市町村によっては、専用サイトを通じてクレジットカードでの支払いが可能です。ポイントが付くメリットがありますが、決済手数料がかかる場合があるので確認が必要です。 - スマートフォン決済アプリ
PayPay、LINE Payなどのスマホ決済アプリで、納付書のバーコードを読み取って支払うことができる市町村も増えています。
- 納付書による支払い
利用できる支払い方法は市町村によって異なるため、お住まいの自治体の情報を確認してください。
納税通知書の到着時期と見方
固定資産税の納税通知書は、毎年4月~6月頃に、その年の1月1日時点の固定資産の所有者宛てに市町村から送付されます。
納税通知書には、以下の重要な情報が記載されています。
- 宛名
納税義務者(1月1日時点の所有者)の氏名・住所。 - 納める税額
年間の固定資産税額と都市計画税額(該当する場合)。 - 各期別の納付額と納期限
年4回に分けた場合の各期の納付額とそれぞれの納期限。 - 課税対象の固定資産
土地や家屋の所在地、地番、家屋番号など。 - 課税標準額
税額計算の基礎となる評価額。 - 税率
固定資産税および都市計画税の税率。
特に「課税明細書」には、土地・家屋それぞれの評価額、課税標準額、適用されている軽減措置などが詳細に記載されているため、内容をしっかり確認しましょう。
納税通知書を紛失した場合の対処法
万が一、納税通知書を紛失してしまった場合はどうすればよいでしょうか?
その場合は、速やかにお住まいの市町村の役所(税務課や資産税課など)に連絡してください。本人確認の上、再発行の手続きを案内してもらえます。納期限を過ぎてしまうと延滞金が発生する可能性があるため、早めの対応が肝心です。
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固定資産税を安くする・抑える方法
固定資産税は毎年かかる費用なので、少しでも安く抑えたいと考えるのは当然です。ここでは、固定資産税を抑えるためのポイントをいくつかご紹介します。
土地の評価を下げる特例の活用
土地にかかる固定資産税を軽減する上で最も重要なのが「住宅用地の特例」です。これは、住宅が建っている土地(住宅用地)について、課税標準額を大幅に引き下げる制度です。
- 小規模住宅用地
住宅1戸につき200㎡までの部分。課税標準額が評価額の1/6になります。 - 一般住宅用地
住宅1戸につき200㎡を超える部分(家屋の床面積の10倍まで)。課税標準額が評価額の1/3になります。
この特例は自動的に適用されることがほとんどですが、更地に家を新築した場合や、家の用途を変更した場合などは、申告が必要になることがあります。 適用漏れがないか、納税通知書でしっかり確認しましょう。
家屋の評価を抑えるポイント
新築時に家屋の評価を抑えることで、固定資産税を低くできる可能性があります。
- シンプルな構造・間取り
複雑な形状や凝ったデザインよりも、シンプルな総二階建てのような家の方が評価額は抑えられる傾向があります。 - 標準的な設備
豪華な設備(例えば、全館空調、ホームエレベーター、大理石の床など)は評価額を上げる要因になります。必要な機能を満たす標準的な設備を選ぶことで、評価額の上昇を抑えられます。 - 延床面積
当然ながら、延床面積が小さいほど評価額は低くなります。必要以上に大きな家を建てないこともポイントです。
ただし、固定資産税を抑えることだけを考えて住み心地や利便性を犠牲にしては本末転倒です。 バランスを考えて計画しましょう。
軽減措置の申請漏れを防ぐ
新築住宅の固定資産税の軽減措置や、住宅用地の特例は、納税者にとって非常に有利な制度です。これらの適用が漏れてしまうと、本来よりも高い税金を支払うことになってしまいます。
多くの場合、市町村が情報を把握し自動的に適用してくれますが、万が一適用されていないと思われる場合は、速やかに市町村の担当窓口に問い合わせ、必要であれば申告手続きを行いましょう。
評価額に不服がある場合の審査申出
納税通知書に記載された固定資産税評価額に納得がいかない場合、納税通知書を受け取った日の翌日から起算して3ヶ月以内であれば、各市町村に設置されている「固定資産評価審査委員会」に対して審査の申出をすることができます。
ただし、審査の申出が認められるのは、評価額の算定に誤りがある場合など限定的なケースです。単に「税金が高い」という理由だけでは認められにくいのが実情です。まずは市町村の担当課に評価額の根拠などを確認することから始めるとよいでしょう。
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固定資産税に関するよくある質問(Q&A)
ここでは、一戸建ての固定資産税に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
一戸建てとマンションの固定資産税比較
Q. 一戸建てとマンション、固定資産税はどちらが高いの?
A. 一概にどちらが高いとは言えませんが、それぞれの特徴があります。
- 土地
一戸建ては土地の所有面積が大きくなるため、土地部分の固定資産税はマンションよりも高くなる傾向があります。マンションの場合、敷地全体の土地の評価額を各戸の専有部分の床面積割合などで按分するため、1戸あたりの土地の持ち分は小さくなります。 - 建物
マンションは鉄筋コンクリート造などの強固な構造が多く、木造の一戸建てに比べて法定耐用年数が長く、評価額も高めになる傾向があります。また、経年による評価額の下落も緩やかです。そのため、建物部分の固定資産税はマンションの方が高くなることがあります。 - 新築時の軽減措置
新築の場合、建物部分の固定資産税が減額される期間は、一般の一戸建てが3年間なのに対し、3階建て以上の耐火・準耐火建築物であるマンションは5年間(認定長期優良住宅の場合はそれぞれ5年間と7年間)と長くなっています。
総合的に見ると、新築当初は軽減措置の期間が長いマンションの方が税負担を抑えやすいかもしれませんが、長期的には土地の持ち分が大きい一戸建ての方が土地の評価額次第で高くなる可能性も、逆に土地の評価が下がれば安くなる可能性もあります。立地や物件の規模、構造によって大きく異なるため、個別のケースで比較検討することが重要です。
古い家(築30年・築50年)の固定資産税
Q. 古い家(築30年・築50年)の固定資産税はいくらくらいになるの?
A. 古い家の固定資産税は、新築時に比べて安くなるのが一般的です。
- 建物部分
木造家屋の場合、築25年~30年程度で評価額は再建築価格の20%程度まで下がり、その後はほぼ横ばいになります。したがって、築30年や築50年の家でも、建物自体の評価額がゼロになるわけではありませんが、新築時と比較すると大幅に低くなっています。 - 土地部分
土地の評価額は経年劣化とは関係なく、その時々の地価によって変動します。そのため、たとえ古い家であっても、人気のエリアで地価が上昇していれば、土地部分の固定資産税は高くなる可能性があります。
具体的な税額は、その物件の評価額や所在地の地価によって大きく異なります。一般的には、建物部分の税負担はかなり軽減されていますが、土地の価値が高い場合は、依然としてある程度の固定資産税がかかると考えておきましょう。
固定資産税10万円になる家の評価額は?
Q. 固定資産税が年間10万円の場合、評価額はいくらなの?
A. 固定資産税の標準税率1.4%で単純計算すると、年間10万円の固定資産税になる評価額(課税標準額)は以下のようになります。
10万円 ÷ 0.014(1.4%) = 約714万円
ただし、これはあくまで軽減措置などを一切考慮しない場合の計算です。
実際には、土地には「住宅用地の特例」が適用され、課税標準額が評価額の1/6や1/3に軽減されます。また、新築住宅であれば建物部分の税額が一定期間1/2になります。
例えば、土地の評価額が1,200万円で小規模住宅用地(200㎡以下)の場合、課税標準額は1,200万円 × 1/6 = 200万円となります。
この土地の上に建つ家の評価額がX万円だとすると、
(200万円 + X万円) × 1.4% = 10万円
という計算になります(新築軽減がない場合)。
この場合、X万円は約514万円となります。
つまり、土地評価額1,200万円、建物評価額514万円、合計評価額1,714万円程度の物件で、固定資産税が約10万円になる計算です(都市計画税は含まず)。
このように、固定資産税額から逆算して評価額を推定することは可能ですが、適用される軽減措置によって実際の不動産の価値とは大きく異なる点に注意が必要です。
固定資産税が払えない場合の対処法
Q. もし固定資産税が払えなくなったらどうすればいいの?
A. 固定資産税の支払いが困難になった場合は、絶対に放置せず、まずは速やかにお住まいの市町村の役所(税務課や納税課など)に相談してください。
相談することで、以下のような対応をしてもらえる可能性があります。
- 分納
一括での支払いが難しい場合、分割して納付する方法を相談できます。 - 徴収猶予・換価の猶予
災害、病気、事業の休廃止など、特定の事情がある場合に、納税が一定期間猶予されたり、財産の差し押さえ(換価)が猶予されたりする制度があります。
固定資産税を滞納してしまうと、納期限の翌日から延滞金が発生します。 延滞金の利率は決して低くありません。さらに滞納が続くと、督促状が送付され、最終的には給与や預貯金、不動産などの財産が差し押さえられる可能性があります。
そうなる前に、支払いが難しいと感じたら、できるだけ早く行政窓口に相談することが非常に重要です。 誠実に対応することで、解決策が見つかることもあります。
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まとめ
一戸建ての固定資産税は、全国平均で年間10万円~15万円が目安とされていますが、物件の価格、所在地、築年数、そして適用される軽減措置によって大きく変動します。
固定資産税の計算は「固定資産税評価額 × 標準税率1.4%」が基本です。この評価額は3年に一度見直され、土地は地価に、建物は再建築価格と経年劣化によって評価されます。
特に新築一戸建ての場合、建物部分の固定資産税が3年間(または5年間)1/2になる軽減措置があり、これは大きなメリットです。また、土地に対しても「住宅用地の特例」があり、課税標準額が大幅に圧縮されます。これらの軽減措置をしっかり理解し、適用漏れがないか確認することが大切です。
固定資産税は毎年支払う必要のある税金です。マイホームの購入を検討する際には、物件価格や住宅ローンだけでなく、この固定資産税が将来にわたってどのくらいかかるのかを把握し、資金計画に盛り込むことが非常に重要です。
この記事で解説した平均相場や計算方法、軽減措置の知識が、あなたの賢いマイホーム計画の一助となれば幸いです。不明な点があれば、お住まいの市町村の窓口や専門家に相談してみましょう。